歯を長持ちさせるために…。
日本人の平均寿命は2003年、男性78.36歳。
女性85.33歳まで延びました。それに比べると、歯の平均寿命は50~60年と短いのが実態です。世界の高齢者の残存歯数(残っている歯の数)トップのスウェーデンは、75歳で平均して19.5本であります。これに対して、日本の場合、平均75歳で9本です。
このことの見方を変えて述べてみますと、日本の場合はほとんどのお年寄りが入れ歯を使用し、スウェーデンのお年寄りは19.5本の歯があるわけですから、4箇所ぐらいの上下の歯がかみ合う場所あり、ほとんどの食品が食べられます。入れ歯では、食べられる食品が限られてきてしまいます。
では、なぜ日本とスウェーデンはこんなにも差があるのかというと、日本とスウェーデンでは制度上の違いがあります。スウェーデンの国民は、3歳から19歳までの16年間は誰でも毎年歯科定期健診の通知が送られてきます。そして歯科医師による検診と衛生士による正しい歯のケアの手ほどきを毎年同じように繰り返し受け、それが習慣になって成人するので、生涯を通して歯のケアに対する認識が自然と高くなるのです。
また、兵庫県歯科医師会は2003年6月、県内の歯科を受診した、70歳以上の高齢者3万1347人を対象に、残っている歯の数がその人の年齢の平均歯数よりも多いか少ないかの二つに分け、他の病気や医療費の比較をしたところ残っている歯の数が少ない人は、多い人々より入院・外来を合わせた医科(歯科ではなく)医療費20.7%多くかかっていることが分かりました。この結果は歯と口の健康が全身の健康にも影響をすることを示すデータとして注目されています。
したがってご自分の歯を長持ちさせるためには年に2~3回は歯科検診を受けられることをお勧めいたします。